映画『馬々と人間たち』の感想

~ドラマはないけどドラマチック~

映画「馬々と人間たち」を見た感想です。
テアトル梅田で見ました。

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壮大なストーリーがあるわけでもドラマチックな展開があるわけでもないのに、
こんなにドラマチックな映画は初めて見た!

人々が必至に生きる様は滑稽であるのに、
馬々は実に悠然とそこに存在する。
その姿は実に多くを物語る。

野生の馬が生息しているような自然豊かなアイスランドの島国。
そこに暮らす人々と馬々の生と死と欲望の物語。

独身男コルベインは未亡人ソルベーイグとお互いに惹かれあってはいるものの今一歩踏み出せてない状態。
そんなある日、コルベインの馬とソルベーイグの馬が勝手に交尾を始める。。。

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ここで場内も大爆笑なんだけど、コルベインは家に帰った後に馬を撃ち殺してしまうんだよね。
えっ?なんで?
コルベインはその馬のことをとても大切にしていたし、
亡骸に寄り添う姿からも愛情を感じた。
なのに、なんで撃ち殺しちゃったのかな?
プライドを守るため?

よく分からないんだけど、ここに住む人達にとって、
馬はとっても身近でありふれた存在なんだよね。
野生の馬もいて、時期が来ると町ぐるみで野生の馬を集めて、気に入った馬を自分のもの出来る。
彼らにとって馬は日常生活になくてはならない存在だけど、
ペットではないんだよね。
愛情はかけていても、代わりはいくらでもいる。
冷たいようだけど、そこにはそこに暮らす人たちの馬とのかかわり方がある。

観光客用に乗馬体験みたいなツアーを営んでる牧場があって、
そこを利用した観光客の1人がツアーから遅れをとって嵐に見舞われてしまう。
その観光客は寒さから自分の身を守るために馬の内臓を取り出し、
自分が馬の内部に入り一夜を過ごすって話があった。
なんか凄い映像だったなぁ。

何も知らない都会育ちの私は正直「なんか残酷だなぁ。」と思ってしまったんだけど、
それって違うんだよね。
残酷って言葉で片付けてしまうのは、違うんだよね。
これが、その土地で生きていくってことなんだよね。
そもそも、人間なんて自分が食べるために動物殺して生きてるわけで、
人間は元々残酷な生き物なんだよね。
でも、それが生きていくってとこ。

まぁそんなこんなで、ささやかなことで人間たちは必死で、その有様は滑稽で無様。
でも、生きていくっていうことはそういうこと。
生きていくってことは綺麗ごとじゃすまされない。
生きていくには食べていかなきゃいけないし、
食べたら下から出てくる。
人間生きてくのには汚いものがつきもの。

それに対して、馬はいつでも悠然としていて美しい。
物言わぬ動物は時として何よりも雄弁に物語る。

この映画見て何よりも感じたのは、こういう映画を見れる幸せ。
こういう映画を見る選択肢を与えられた幸せ。
CMでバンバン流れる巨大な製作費がかかった映画なら日本中どこにいても見れるんだろうけど、
こういう一般受けしない映画を見れるって実は凄く幸せなんだよね。

ヤフー映画のユーザーレビューでは3.78点。
私の勝手な採点は★3つ半。

とにかく、ニッチな映画。
一般受けする映画ではないけど、実に興味深い映画でした。

星星星ワイン

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映画レビューデータ

タイトル : 馬々と人間たち

ジャンル : コメディ

キーワード : シュール , 人生賛歌 , 動物

評価 : 3.5つ☆ / 5つ☆

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