映画「おみおくりの作法」を見た感想とあらすじです。
ややネタバレもあります。
シネリーブル梅田で見ました。
淡々と、しかし誠実に心を込めて、孤独死した者を弔う男の物語。
孤独と向き合い、孤独に生きる男。
孤独な死を迎えた人間は本当に孤独だったのだろうか?
孤独な死を迎えても、それは恐れることではないのかもしれない。
あらすじです。
役所の民生係ジョン・メイの仕事は1人きりで亡くなった身寄りのない人々を弔うこと。
ジョンは亡くなった人々に誠実に対応している。
亡くなった人の宗教に合った葬式を手配し、生活環境、嗜好から一番似合うBGMを葬式で流し、誰も参列者のいない孤独な葬式に必ず参列した。そんなジョン自身も孤独な人生を歩んでいた。
彼はいつも一人で仕事をし、一人で食事をし、一人で暮らしていた。ところが、いつもの規則正しい生活がある日終わり告げる。
人員整理の憂き目に合い、解雇されることになった。ジョンの最後の仕事は自分の向かいの家に住んでいたビリー・ストークだった。
ジョンは目の前に住んでいながら口をきいたこともない孤独死したビリーのために、
ジョンはビリーが関わってきた人たちを探すためにイギリス中を旅し、ビリーの歩んできた人生振り返る。。。
前半は人と関わらず折り目正しく生きるジョンの日常が描かれているため、セリフも少なくやや単調にも映るが、そんな単調な毎日を送るのがジョンの人となりを形成しているのだろう。
そして、そんな単調な日々の中で少しクスリと笑えるような箇所があるのが非常にイギリス映画らしい。
ジョンが毎日折り目正しく食してる思われる猫缶のような缶詰が気になった。
日本で言うとサバ缶のようなものなのだろうか
日本のように中食と言うか、お弁当のような文化がないので、外食でもなく自炊もしない人はあのサバ缶のようなものを愛用しているのか、それともジョン特有なディナーなのか気になった。
しかも、そんな味気ない食事なのに、きちんと広げたクロスの上に皿をセットし、きちんと姿勢正しく食すのだ。
ジョンはとても几帳面な性格で、何もかも整理整頓されている。
自分が担当した引き取り手のいない孤独死した人の写真を大切そうに丁寧にスクラップして保存してある。
まるで、家族か親しい友人のようにそれを手元に置いてある。
ジョンの人柄が表されている素敵なシーンだった。
単調な毎日はジョンの解雇宣告で終わりを告げ、物語が動きだす。
仕事納めとして、ビリーの軌跡をたどる旅に出たジョン。
銅像のそばで期せずして同じポーズをとるジョンとか、なぜか訪ねた人からいつも食べ物を少し渡されるジョンとか、クスリとくるシーンで期せずして和ませるジョン。
ジョンと一緒にビリーの軌跡をたどる旅に出たような気分になり、仏頂面で面白みもないジョンになんとなく愛着を感じるようになってくる。
ここから、結末に触れるネタバレありますでの、ご注意下さい
ジョンのビリーの軌跡をたどる旅は、ビリーの娘ケリーの元へと導いた。
ジョンとケリーは不思議と何かお互いに惹かれるものを感じた。
ジョンに素敵な出会いがあり、人生に希望の灯がともったかのように感じたが、、、
なんとジョンは事故にあって亡くなってしまうのだった
ジョンの最後の仕事だったビリーの葬儀の日、ジョンが参列を頼んだ人々が集い、故人を偲ぶビリーの葬儀が行われた。
その葬儀の近くで、参列する人もいない孤独なジョンが誰にも気づかれることなく埋葬されていった。
しかし、そこには、ジョンにかつて手厚く見送られた霊達が集い、ジョンを弔うのだった。
ラストでは、劇場内からすすり泣きが聞こえたので、心にくるエンディングなんでしょう。
霊に見送られるってエンディングは好き嫌いが分かれる所なのでは
私は正直な感じかなぁ。
それなりに感動はしたけど、ジョンは死者以外にもやっぱり誰かに認めてもらって、偲んでもらって欲しかった。
孤独に生きる人も、生まれてからずっと孤独だったのかは誰にも分からない。
晩年は孤独だったかもしれないが、そこに行き着くまでは色んなドラマがあったのかもしれない。
誰かに愛されたり、愛したことがあったのかもしれない。
だからこそ、今を大切に。
今あなたが愛している人を大切に。
今あなたを愛してくれる人を大切に。
ヤフー映画のユーザーレビューでは高評価4.14点
私の勝手な採点は★3つ。
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映画レビューデータ
タイトル : おみおくりの作法
ジャンル : ドラマ
評価 : 3つ☆ / 5つ☆
投稿者 : もとこ
Comments:0
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