映画『君が生きた証』の感想

~愛する子どもを失ったら親としてどう生きていけるだろうか?~

映画「君が生きた証」を見た感想とあらすじです。
ネタバレもあります。
シネリーブル梅田で見ました。

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ある日、突然、愛する者を失ったら、愛する子どもを失ったら親としてどう生きていけるだろうか?

その歌は生きていた頃に息子が作った曲。
その歌は生きていた頃の息子の心の声。
その歌は今生きている自分の心の叫び。

あらすじです。

サムは成功したやり手の広告マン。
大きな契約をまとめた日に、お祝いに息子のジョシュを呼び出した。
しかし、ジョシュが姿を現すことはなかった。
ジョシュは大学で起きた銃乱射事件で亡くなったのだった。

サムはお酒に溺れ、ボートで暮らし、日雇い仕事で生計をたてた。
そんなある日元妻のエミリーが訪ねてきて、「ジョシュが音楽好きだったのはあなた譲りだから」とサムに荷物を託した。
それは、ジョシュが作った曲を録音したCDと詩が書き留めてあったノートとジョシュのギターだった。

サムはCDを聴き、その曲をギターで奏でてみた。
亡くなった息子との絆を感じられた気がした。

偶然訪れた素人の出演するライブバーで、サムもジョシュの曲でライブに参加してみた。
その時、曲を聴いていたクエンティンがいたく曲に惚れこみ、クエンティンの企みでサムは息子のような歳のクエンティン達となぜかバンドを組むことに。
サムはクエンティンと時を過ごすと共に、クエンティンに息子のような愛情を感じ始めた。

彼らのバンド"ラダーレス"は客にうけ、店の目玉となる人気バンドになっていった。
やがて、地元で開催されるロックフェスへの出演依頼の話が舞い込み、バンドメンバーは「これはチャンス」と有頂天になるが、サムは出演を頑なに拒否していた。

サムが自分が作った曲として嘘をついていたが、そこには息子の曲だと言えない事情が隠されていた。。。


ウィリアム・H・メイシーの初監督作品だそうです。
大作ではないけど、心の琴線に触れる作品です。

ウィリアム・H・メイシー本人と奥様であるフェリシティ・ハフマンが出演してます。
ウィリアム・H・メイシーはサムの出演するライブバーの店長(オーナー)役で特に目立ったセリフもない役でした。

フェリシティ・ハフマンはサムの元妻エミリー役。
出番は少なかったですが、この人、上手い女優さんですよね。
彼女が演じると、実に役にリアリティが出てくるよね。

クエンティン役のアントン・イェルチンは「HUFF~ドクターは中年症候群」でハフの息子役だった役者さん。
子役からずっと活躍してるよね。
TVドラマで精神に問題のあるタイプの役が多かったような。


最初、クエンティンを相手にしないサムに捨て犬みたいにまとわりつくクエンティン。
共通の趣味のギターを介して次第に心を通わせてくサムとクエンティン。
自分に自信がなく、それでいて自意識過剰で繊細なクエンティン。
サムとクエンティンの交流は、疑似親子のようで良かった。

クエンティン達、若いバンドメンバーがみんなすごく嬉しそうに楽しそうに楽器を演奏しているもの良かった。
いやー若いバンドメンバー見てて、胸が熱くなったよ。
「格好いい」とかじゃなくて、愛しさが込み上げてきたよ。
母親目線で息子も後10年経ったらこんな風に音楽に夢中になるのかなぁとか思ったら目頭が熱くなった。


映画の予告を見た時は、「この曲は亡くなった息子が作ったんだよって言えば良いじゃん。」と思ってた。
ちゃんとクレジットに作曲ジョシュとすれば何の問題もなくなるのと。
しかし、そこがこの映画の肝でもあるんですよね・・・

ここから結末に関するネタバレありますので、ご注意を!!!

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アメリカでは学校での乱射事件が後を絶たない。
その中でもコロンバイン高校銃乱射事件は衝撃的で人々の記憶に深く刻まれている。
関連する映画も多く作られた。

サムが息子ジョシュが作った曲だと打ち明けられなかったのは、ジョシュが大学の銃乱射事件の加害者だったからだ。
無差別殺人を起こした加害者の作った曲。
それはちょっとなかなか受け入れられないよね・・・

ジョシュがなぜ銃乱射事件を起こしたのか、映画ではあまり深く触れられてないけど、どうも鬱のような心の病気だったようですね。
加害者に深く同情するとか、加害者側にたった映画ではなく、事件自体大きく掘り下げてはいない。
しかし、加害者にも家族がいた訳で、あくまでもその加害者家族の事件の後の生活と心の内に焦点を当ててます。

「なんで、そんな(犯罪をおこした息子の)曲を演奏したのか?」との問いに、
「それでも、俺の息子なんだ」と答えるサム。
「亡くなった被害者もみんな誰かの娘で息子だった。」と言われ、
「それでも、俺の息子なんだ」と答えるサム。
ズシンときた。

自分の子どもだから。
ミルクあげて、おむつ替えて、まだ歩かない頃から育ててきた自分の子どもだから。
どんな罪を犯しても、それでもやっぱり自分の子どもだから。
愛さずにはいられない。


「罪を恨んで人を恨まず」なんてきれいごとで、自分の子どもがそんな被害にあったら加害者はもちろん、加害者の親も憎んでしまうと思う。
けど、憎しみからは何も生まれない。
けど、やっぱり憎むことでしか生きていけないかもしれない。

ラストにサムが1人で「これは僕の息子が作った曲です。僕の息子は大学の銃乱射事件の加害者です。」と告白してから、演奏します。
ただただ涙が溢れた。


これ、ジョシュが爽やかなイケメン風だったのもミスリードを誘ったよね。
クエンティン役のアントン・イェルチンがジョシュ役だったら、最初から「あーこれ実は加害者なんじゃ。。。」と疑ったと思うドクロ
サムも元妻エミリーも知的で中流階級以上な良識ある人間のような描写だったしね。

ぶっちゃけ、実際には事件を起こす加害者も加害者家族も、なんとなく「然もありなん」と言いたくなるような言動だったりして、100%とは言わないけど、同情するに値する人間とはとても思えなかったりする。
「人はみかけで判断してはいけない」と頭では分かっているけど、やっぱり問題を起こす人は「係りたくないな」と思わせる見かけであることが多い。

これは、映画だから、加害者の親であるサムに感情移入し、サムの立場になって色々考えられたけど、
正直、私には現実にはなかなか難しいかな。
だけど、だからこそ、意味があるのかもしれない。


ヤフー映画のユーザーレビューでは高評価の4.14点。
私の勝手な採点は★4つ半。

今日、息子と目を見てじっくり話そうと思った。

★★★★☆

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映画レビューデータ

タイトル : 君が生きた証

ジャンル : ドラマ

キーワード : 父と息子 , 青春 , 音楽

評価 : 4.5つ☆ / 5つ☆

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