映画『ジェームス・ブラウン 最高の魂を持つ男』の感想

~俺様、だけどその際立った才能で人々を魅了したファンクの帝王~

映画「ジェームス・ブラウン 最高の魂を持つ男」を見た感想とあらすじです。
テアトル梅田で見ました。

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すっごい評判は良いので、私の中で期待値が大きすぎたのかな?
正直、期待外れの映画だった。
かと言って、つまらない映画だったのかと言うと、決してつまらなくはなかったんだけど。

何と言ってもパフォーマンスが素晴らしかったし。
しかし、傑作とは言い難いって感じ。

あれだけ、類稀な才能を持つ男を描いた割に、しごく平凡な映画だなと思った。

あらすじです。(ジェームス・ブラウン 最高の魂を持つ男@シネマトゥデイより)

親に捨てられ、劣悪な環境で育ったジェームス・ブラウン(チャドウィック・ボーズマン)。その後、窃盗の罪により刑務所に入れられてしまうも、無二の親友と出会い、出所後は音楽の世界へ進出。少しずつヒット曲も生み出し、ブラウンの名は次第に世間に広まっていく。一方で、妻や自分を捨てた母親との関係、親友のボビー・バード(ネルサン・エリス)との意見の食い違い、ミュージシャンらとの諸問題など、ブラウンには頭を悩ます事案が常につきまとい......。


上映時間が139分と長い割には、内容がやや薄っぺらいなぁと言う印象。
パフォーマンスが最高だったので、飽きはしないんだけどね。
ただ、物語だけで考えると、結局、JBの何を伝えたかったのかがはっきりしないよね。

ダンスとか今見ても独特で格好良いよね。
ただ、途中途中で1曲づつパフォーマンスシーンが入るんだけど、これも1曲づつって言うのがイマイチのりづらい。
曲が流れて「いいぞー」って気持ちが盛り上がってくると、パッと次の展開に入っちゃうから、肩すかしな感じ。

どのエピソードも大して力入れてる感じじゃなかったし、表面的なさわりだけを綴っていたので、ストーリー的部分をもっと削って、パフォーマンス部分をガンガン入れちゃった方が楽しめたような。
ベトナム戦争に慰問の部分も、「おーこれから盛り上がるぞ」って所で爆発して、その後どうなったのかイマイチ分からなかったし。

ジェームス・ブラウン、類稀な才能を持つ男は、破天荒でかなりの独裁者だったらしい。
なんか、もっと破天荒エピソードも盛り込んで欲しかったかな。
いつも罰金を科す男くらいしか人となりが分からなかったけど、あれだけの人だからもっとファンキーなエピソードもあったんじゃないかな。

なんか全体的に物足りないなぁという印象。

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幼少期のJBは劣悪な環境で育った。
母は乱暴でギャンブル狂の夫を見限り出て行った。
JBを連れて行こうとするも、夫がピストルで脅し阻止される。
父は兵役に就くために、売春宿のような所にJBを預ける。

→冒頭では、森の中で追いかけっこする母と子。
そこには貧しいながらも母親に愛されている様子が描かれていた。
何年か後に売春婦となったらしい客と一緒にいる母を見かけ声をかけるも他人のふりをされ傷つくJB。
で、その後は有名になってから訪ねてくるまで母の出番なし。
んーまぁ、子ども捨てて酷い母親と言えばそうだけど、でもどうしろと?と言う感じもしなくもない。
あの時代、女が働くと言ってもそうマトモな仕事もなかったろうし、売春婦になってしまったのも仕方なかったのかも。
客と一緒の時に子どもの相手は出来ないだろうし。
弱くてダメな女だったのかもしれないけど、そこまでくそ野郎でもない。
母との関係で何を描きたかったのかイマイチ伝わらない。


売春宿では、リトル・ジュニアと呼ばれ、マダムとビッグ・ジュニアに可愛がられる。
ここで、宗教的音楽に触れ音楽に目覚める?

→マダムとビッグ・ジュニアには可愛がられていたようだけど、あまり深いエピソードも盛り込まれておらず、イマイチ伝わらない。
母に他人のふりをされ傷ついたJBをマダムが「あんたは特別な子だよ」と慰めるシーンがあるが、とってつけたよう。
マダムとJBってそこまで深い繋がりがあるようには描かれていないような。

ビッグ・ジュニアには可愛がられてると思いきや、JBがスーツ泥棒で捕まって檻の中から話した以降は全く物語には登場しない。
んービッグ・ジュニアとは深い繋がりも感じられず、何を描きたかったのか?

教会で黒人音楽に感化されたようなシーンがあったけど、その後、その教会に通い詰めたとかそういう描写もなく、あのシーンの重要度はどうだったのかな?
ダンスとか歌とか教会で鍛えられたんだか、独自で磨き上げたんだか?
勿論、持って生まれた才能が大きいんだろうけど、なんかせっかくエピソード盛り込んだ割にストーリーに活かされてないんだよね。

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結局、最後はボビーとの友情にスポットを当てていたけど、なんか無理やり感があったというか、唐突と言うか。
見てる側の感情がそこまで追いついてないのに、いきなり盛り上げられてもね。

そもそも、レコードデビューする際に、グループ「フェイマス・フレイムス」でなく「ジェームス・ブラウンとフェイマス・フレイムス」と言うクレジットに腹をたて、みんなJBの前から去って行ったという描写だったのに、いつの間にボビー・バードと仲直りしたのよ?
2人の青春時代のエピソードとかそういうのが色々あって、JBという才能に惚れこんでJBのバッグでいつでもサポートしていたボビーが生きてくるんじゃないのかなぁ。

ボビー・バードの家族にだって相当恩義があるはずなのに、心温まるエピソードみたいなものがあまりにも描かれていない。

ボビーのJBにマントをかけるお決まりのパフォーマンスも、ファンにはお馴染みなのかも知れないけど、もう知らない世代も多いのでは?
あのパフォーマンスがお決まりで大盛り上がった様子とか、「Get Up (I Feel Like Being A) Sex Machine」のボビーの掛け合い的合いの手とかもっとJBとボビーのパフォーマンスをもっと見たかったなぁ。

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期待が大きすぎたせいか、なんか期待外れでイマイチと感じた部分ばっかりあげてしまったけど、決してつまらなかった訳ではない。
JBを演じたチャドウィック・ボーズマンは最高だった。
年齢とともに、変化していくJBを上手く演じ分けていたのは、特殊メイクのおかげだけではない。
若い頃のちょっと茶目っ気のあるキラキラした目は夢に向かって前進していくJBを上手く表現していた。

ダンスパフォーマンスも最高。
ステップとかすごく格好良かった。


この映画で一番笑ったのは、レコード会社の社長がJBの曲を初めて聞いた時に「一体歌はいつ始まるんだ?please、pleaseの繰り返しで、これじゃ可哀想な黒人がPleaseって頼んでるだけだろう?一体、何を頼んでるだ?」って言う場面。
でも、JBはこのスタイルで大ヒットして、大成功しちゃうんだけどね。
それくらい、JBのスタイルは革新的で衝撃的なものだったんだろうね。

ヤフー映画のユーザーレビューでは4.1点。
私の勝手な採点は★3つ。

なーんか、おしいよね、この映画。
JBみたいな稀有で類稀な才能を持つ男を描いた割に、遜色なくこなしてしごく凡庸な出来の映画だよな。

JBと言う人は決して人格者ではなく、とてつもなく俺様な嫌な男だけど、それでもその際立った才能で人を惹きつけて離さない魅力があったのであろう。
だから、もっとどこまでもファンキーで破天荒なJBを見たかったなと思った。

★★★

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映画レビューデータ

タイトル : ジェームス・ブラウン 最高の魂を持つ男

ジャンル : バイオグラフィ

キーワード : バイオグラフィ , 音楽 , 黒人

評価 : 3つ☆ / 5つ☆

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